社長が、いくら一生懸命に働いたからといって、必ずしも会社が繁盛するわけではありません。
これは当たり前のことなのですが、商売というものは、闇雲に働いたからといって、成果が約束されるものではないのです。
そうではなく、小さな会社の社長は、賢く働くことがとても重要になります。
経営とは数字である
賢く働くためには、まず数字に強くなる必要があります。
会社をやる上で、そのビジネスの詳細や経費の全てを知っていることは、極めて重要です。
しかし、驚くほど多くの小さな会社の社長が、数字を見ずに経営をしようとしています。
「経理は全部女房にまかせてあるから!」
これでは、社長失格です。
財政的にあなたやあなたの会社が、今どういう状態にあるかを知ることは、あなたがどれだけ投資をすることができるか、あるいは、引き締めてかかるべきかを教え、失敗してしまう愚かな決断から守ってくれます。
これまで、数字をあまり見ていなかったのであれば、ぜひ、時間をかけて総経費を調べ、あなた自身やビジネスのいろいろな部分の数字を把握するようにしてみてください。

これは、長い目でみても、かなり見返り多い作業で、無駄に過小評価したまま働かなくて済むようになります。
一ヶ月のうちの、たった1日を割いて、全ての年間経費と利益を調べるだけで、どの部分が効果や能率が低いのか、どこで、少なく請求し、余分に支払いをしているか、粗利はどうか、どこに最大の利益が見込めるかが、判るようになっていきます。
数字を見ないから安売りに走る
さらに、自分の会社の実質の価値をちゃんと知っておかないと、とにかく売ろうとだけ考え、最終的に安売りに走ることになります。
もし、安売りをしている事に気づいたなら、ぜひ、料金を上げることを考えてください。
具体的に、商品ややサービス、アイディアの料金を値上げする方法ですが、それにはまず、お客さんが受け入れやすいように、ゆとりをもって事前に通告することです。
いきなりやっては失敗します。
そして、料金を値上げする時は、相手が認識できる追加価値を提供してください。確実な、何らかの追加価値があり、こころからフェアな取引だと感じると、価格引き上げの過程はずっとスムーズになります。

さらに、料金を上げる前に、お客さんから受ける可能性のある反感のリストをつくり、各項目にいくつかの応答や解決策を準備しておきます。複数用意するのは、一つが上手くいかなければ、次の答えを提供する為です。とにかく、こうして、安すぎるものは価格を値上げしていきます。
経営が行き詰る理由は安いから
小さな会社の経営が行き詰るのは、ほとんどの場合、価格が安すぎるからです。
こういったことは、社長が経営の数字をしっかりと見ることで把握できます。
決算書は企業の通信簿と言われます。
悪い部分は、それを治していけばいいだけです。
ぜひ、数字に強くなってください。
決して難しい事ではありません。
基本的なことだけで十分ですから、だれでも、少し勉強すれば判るようになります。
そこをサボっていては経営者として失格なのです。
【参考記事】:『値上げをする方法』