ここでは、全てのビジネスの根幹とも言える「売上方程式」について解説していきます。
特に、小規模事業者である小さな会社の経営者は必ず理解するようにしてください。
まずは、ビジネスを考える上での数字の話をしておきたいと思います。数字と言っても、貸借対照表や損益計算書のような、経理上の数字ではありません。ビジネスを考える上での重要な数字についてです。
売上はどのように構成されるか
最初として、まず売上とは何かということを確認しておきます。
売上の構成要素は次の3つの数字から成り立ちます。
(1)顧客数
顧客数とは購入してくれたお客様の人数
(2)購買頻度
購買頻度とは、一定期間(通常は1年)に購入してくれる回数
(3)客単価
お客さんが1回に平均して購入してくれる額
この3つが売り上げの構成要素となります。
つまり売上とは?
顧客数×購入回数×客単価=売上
という式で表すことができます。
これを、売上方程式といって、全てのビジネスの最も中心にある数式です。
年間で売上高を考える
売上高とは?
【 顧客数×購入回数×客単価=売上高 】
です。
重要な事なので、2回書きました。
是非、覚えておいてください。

言い方を変えるならば、これ以外に売上を構成する要素は存在しません。これが、ビジネスをやる上で、最も重要な基本中の基本の数式となります。
例えば、「100人のお客さん」が「年に平均10回」、「平均客単価が10,000円」だとします。
そうすると、
年間売上高=年間顧客数×年間平均購入回数×平均客単価
つまり、1年間の売上高は1000万円となる訳です。
つまり、全てのビジネスとは、この3つの掛け算としてなり立っているということです。
この3つの数字をまず把握することが、あなたの会社を繁盛させる第一歩となります。
売上方程式の構成要素
ここで、もう一度各項目について詳しく説明しておきます。
まず最初の顧客数ですが、これは、絶対数です。つまり、一人のお客さんが何度購入してくれたとしても、一人としかカウントしません。鈴木さんというお得意さんのお客さんが、何度来店したとしても、鈴木さんは一人なのです。
さて問題は、多くのお店や会社が、こういった顧客数を把握できていません。延べの顧客者数は判っても、絶対数としての顧客数が把握できていないことがほとんどです。ここが、把握できているかどうかは、顧客リストが有るかどうかで判ります。
顧客リストが作成しにくい業種、たとえばラーメン屋などの飲食店は、こういった正確な数字を把握しにくいので、ある程度概算に頼るしかありません。

次に確認するのは、平均客単価です。
これは、売上高を延べ客数で割ったものです。これを正確に把握するには、お店などの場合には、客数を常にカウントしてれば、自ずと計算することができます。
さて、そうなると問題は、(2)の購買頻度です。
これは、売上を客単価と顧客数で割れば、簡単に出すことができます。しかし、絶対顧客数が判っていなければ、算出しようがありません。つまり、顧客リストをしっかりと整備していないと、この数式を正確に運用することが出来ないということになってしまいます。そのために、まずは、顧客リストを作ることに取り組んでてください。
小さな会社や個人事業において、重要な戦略は、顧客密着です。つまり、最大限の力で顧客に寄り添うことが基本になっていきます。
その重要な顧客のリストが無いということは、戦略そのものが立てられないということになります。あなたの会社に顧客リストがない場合には、まず、この作成を最優先にやっていってください。
こうした、日々のビジネスをきちっと数字で解釈することが、たとえ小規模事業のような小さな会社の経営であっても、とても重要なことになります。