私がコンサルティングでお伝えする小さな会社や個人事業者の為の経営戦略は、最初は大きな抵抗を受けます。
それは、これまでのビジネスのやり方とは180度反対の方向だからです。
小さな会社が取るべき経営戦略
小さな会社が取るべき経営戦略は、以下の8つの理念を基本にしていきます。
(1)大金を集めない
(2)拡大を志向しない
(3)情熱と信念による経営
(4)強み(USP)に特化する
(5)楽しんで仕事をする
(6)長続きさせる
(7)顧客と共に成長する
(8)天職に生きる

しかし、多くの人が、
「こんなことではビジネスは成り立たない」
「拡大しないなどビジネスではない」
「そもそも、利益の追求こそが会社の目的だ」
「楽しんで仕事なんかできっこない」
そういった、感想を持たれるのです。
おろらく、あなたも同様な感想をもたれたかもしれません。
しかし、これが、これからの時代の 中心になるであろうビジネスの形になるのです。
常に変化に対応できるようにする
現代は 変化がかなり急激なものになるために、これまでのビジネスモデルでは、新しい時代に対応できなくなってきているのです。
社会全体の価値が個人の幸福へと 向かいつつある今、マーケットも、 ロングテール市場に移行しています。(ロングテールについては、別の記事で詳しく解説しますね)
こうなりますと、高コスト構造を抱えたままの会社システムでは、なかなかロングテールやニッチ市場には 参入できない状態となっています。

多くの会社が失敗する理由は、拡大思考によって、借入金が増え、固定費が増え、資金繰りが悪化し、環境の激変に対応できなくなるからです。
つまり、これまで当たり前にように思っていた、会社をがんばって大きくしようという、いかにもあたりまえの考え方が、かえって足を 引っ張ることになっていくのです。
大 → 小への時代
ですから、これからは、 なるべくコストを小さく抑えた、「大→小」への考え方の移行が重要になります。
つまり、無駄に会社を大きくするのではなく、むしろ、小さな会社や個人事業者のままのほうが儲かりやすいビジネスになるのです。
小さな会社や個人事業者中心の社会では、会社という組織が中心となるのではなく、個人や小人数の単位でのビジネスが中心になっていきます。
ただ、勘違いをしないで欲しいのは、
「すべての会社が大きくしたら駄目になるのか?」
といえばそうではありません。
たとえば、高額の開発費が必要になるようなビジネスは、これからも大会社が有利な市場ですから、決して無くなりません。
ただ、これまで以上に競争が激しくなり、価格競争が激化していくだけです。

もしあなたが、これからの時代に 合わせた生き方を目指すのであれば、なるべく早く「大→小」へ考え方を移行して小さな会社や個人事業者のビジネススタイルを目指したほうが上手くいくことになるのです。
変化しやすいビジネスを目指す
こういったビジネスモデルが実現できるようになったのは、インターネットの力です。
しかし反面、インターネットは 変化の激しい分野です。
ですから、それを経営に取り入れるとすると、おのずと、経営モデルもそれに対応させておかなければなりません。
その為には、経営経費を 固定化させないことが必要です。
よくいう、固定費をなるべく変動費に置き換えるということです。
具体的に言ってしまうと、
・人はなるべく雇わない
・事務所はなるべく小さくする(できれば自宅で)
・設備は持たない(設備投資はしない)
・リースは組まない
・毎月かかる経費はなるべく抑える
・借金はできるだけしない
こういったことが考えられます。

いつでも廃業できるようにする
環境が激しく変化するのですから、いつでも変えられる状態にしておく。
極端な話、都合が悪ければ、明日からでも事業を変化させることができるようにすること。
もっと極端にいえば、すぐに廃業できるようにしておくことです。
今回のコロナウィルスの状況を考えれば、経営環境の激変はいつ起きるかわからないものです。
だからこそ、環境にビジネスが合わなくなったら、いつでも廃業できるようにすることは、とても重要になるのです。
こうした経営戦略は、これまでの価値観にどっぷりと つかっていたのでは、なかなか受け入れにくいかもしれませんが、これまでの常識を捨てて、思い切って受け入れてみてください。