小さな会社は損得より先に善悪を考えよう

損得より先に善悪を考えよう

「損得より先に善悪を考えよう」

これは、倉本長治氏が昭和36年に発表した商売十訓の一番最初の項目です。
ビジネスをする人、これから、起業しようとする人は、ぜひ、これを心においていただきたいのです。

自分が喜び、他人も喜ぶ

しかし、これ、よく考えると結構難しいのですね。

「損得」はまあ、なんとなくわかるけど、じゃあ「善悪」とはなんなのか?
これは、もう、哲学の命題です。

さて、ここでは、私の考えている「善悪」の定義、まあ、それほど大上段なものではないので「いいこと」と「悪いこと」という言葉が近いのですが、そんな、考えをお伝えしてみますね。

まず、「いいこと」とは、「自分が喜び、他人も喜ぶ」。
そして、「後悔しない」ことです。

では、反対の「悪いこと」とは、「自分が苦しみ。他人も苦しむ」。そして、「後悔すること」です。

ですから、自分には喜びであっても、他人に迷惑をかけるのは、いいことではありません。
また他人には、喜びであっても自分が苦しむのも、いいことではありません。

このように、判断基準を自分の心のなかに置くのです。
つまり「いいこと」と「悪いこと」を決めているのは自分の心だということです。

そして、これによってすべての行動は、「いいこと」と「悪いこと」だけではなく、「いいことではない」と「悪いことではない」という、4つに分類されることになります。

こうすることによって、社会環境や、置かれた状況による善悪のブレからは逃れることができます。
その分だけ、自分を見つめるという作業が必要になります。

生きていく上で、全ての人間は選択を迫られます。
そのときに、少しでも「いいこと」に近い選択をするように選択をしていくことが重要なのです。

これを、ビジネスの上での重要な項目として上げたのが「損得より先に善悪を考えよう」という言葉なのです。

知らないうちにこびり付く心の癖

そして、これを読まれたあなたには、「悪いことは、どんな小さなことでもしてはいけない」と、ぜひ、心に決めて欲しいのです。

「小さなことだから。たった一回だから」となると、心がどんどんと麻痺していくからです。「千円くらい、どうってことはない」とごまかし続ける人は、最終的には何千万円のごまかしもするようになります。小さな嘘をつく人は、やがていつも平気で嘘をつくようになってしまうのです。

恐ろしいことは、それが心の癖になってしまうことです。

癖になったら、元に戻すのが大変なのです。そして、知らず知らずの内に損得が判断の基準になっていきます。

「利を見てその真を忘れる」(荘子)

とあるように、目前の損得だけを考えて周りを見ないと自分が置かれている本当の立場が判らなくなってきます。

損得を優先させると、一時はうまくいくかのように見えますが、最後は、必ずしっぺ返しを受けます。
あたかも、神が罰を与えるかのようにかえって酷い目に合わされるものなのです。

ビジネスをやっていると、つい利益に目がいってしまいます。
もちろん、利益がなければ食べていけませんので、利益はとても大事なことではあります。
しかし、ここに目が行きすぎると、どうしても歪が生まれてきてしまいます。

幸福感という価値を提供する

そもそも、あなたのやっている仕事の存在意義とは、お客様に幸福感という価値をもたらすことです。
その結果として利益が生まれるのであって反対ではないのですね。

しかし、経営者はどうしてもまず利益に目がいきます。
私もついついそうなってしまうのですが、ここがどうしても間違うところなのですね。

利益を出そうと思うことはないのです。
思うべきは、どれだけお客様の役に立ったかということです。
ただ、この一点のみなのです。

お客様は、買い物を通じてあなたの人間としての美しさを常に求めているのです。

「損得より先に善悪を考えよう」

私は、いつもこの言葉を部屋の壁に貼ってあります。
そうしないと、つい損得勘定が優先してしまうからです。

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