品揃えや価格ではお客さんは動かない

品揃えや価格ではお客さんは動かない

経営を考える時の基本は、まず、お客さんを数字の上で考えて見ることです。一生懸命勉強して、こういった数字が理解できれば、すぐにでも売上が上がっていきそうですが、しかし、事はそう簡単ではありません。

実際にはお客さんは一人の人間であって、その心理や行動を理解する必要があるのです。数字を勉強するだけではなく、お客さんの心理や行動についての基本的な知識を持つことが必要になるのです。

選買分離という購買行動

さて、まず、ここ10数年で大きく変わったお客さんの購買行動があります。

それが、「選買分離」ということです。

「選買分離」とは、お客さんが商品を買うときに商品を選定することと、実際に買うという行動が時間的に分離してしまったということです。

たとえば、あなたがテレビを買おうとするとします。そうすると、まず何をするでしょうか?

たいていの人が最初にすることはネットを使って、どのテレビがいいかを調べます。
大きさはどれくらいがいいのか?
メーカーはどこがいいのか?
性能はどこまで必要なのか?
価格はどれくらいなのか?

このように、性能や価格を比べた上で、どのメーカーのどんな商品を買うかをまず最初に決めるのです。
そして、その検索した情報でほぼ購入する機種を決めてその商品を売っているお店に行くのです。

昔と今の購買行動の違い

昔と今の購買行動の違い

昔は、テレビが欲しいと思ったら、まずデパート、あるいは電気屋さんに行って、そこで、いろいろな商品を見比べて気に入った商品を購入していました。それが今では、お店に出かけるときには、どんな商品を買うかが既に決まった状態で出かけていくということです。

さて、一見当たり前のように起きているこの、「選買分離」という現象。10年ほど前は、この商品を調べるのがカタログだったのですが、今はインターネットで数分で調べることができてしまいます。さらに、評判や口コミ、最低価格なども調べられるのです。ですから、もうこの時点で何を買うかが決まってしまいます。あとは、それをどこで買えばいいのかだけなのです。

しかし、この時点で、あなたのお店や会社がこの商品を扱っていなければ、いくら、頑張って日頃から宣伝しても結局は、お店に来てくれないということです。ですから、いくら地域という商圏に密着して宣伝広告を頑張っても効果が出ないのです。

地域密着から顧客密着へ

安売りや品揃えではお客さんは来てくれない

お店に来てくれたお客さんに対して、店頭にある商品を一生懸命勧めたとしても、まず、購入してくれません。

さらに、日本で一番安く手に入る方法をお客さんは知っています。品揃えや価格で勝負するお店は、もはや成り立たなくなってしまったのです。これでは、大手の家電量販店の業績が低迷するのも当たり前なのです。

品揃えならAmazonには絶対に勝てません。
価格は、ギリギリまでコストダウンしている、倉庫だけの通販店に勝てるわけないのです。

店舗を持った時点で、もはやコスト高になり、お客さんに選ばれなくなるのです。つまり、品揃えや価格といった魅力で売っている会社やお店は差別化できなくなっていて、不振に陥らざるを得ないのです。

この結果、地域戦略があまり有効ではなくなってきました。どれだけ、地域に絞って広告費をかけて宣伝したとしても、品揃えや価格ではお客さんは動かないのです。

安売りや品揃えではお客さんは来てくれない

地域密着から顧客密着へ

それよりも、日頃からお客さんに密着して個々のニーズを汲み上げて、それを提供するほうが理にかなっているのです。

これはつまり、「地域密着」から「顧客密着」にマーケット戦略が変化したということなのです。ですから、もはや地域密着という考え方はマーケティング的に、あまり成立しなくなってしまったのです。

商品の魅力や価格をどれだけ宣伝しても、もはや購買行動には結びつきません。これからは、個々のお客さんの欲求と行動を理解することが重要になり、それぞれのお客さんのニーズに合わせた商品やサービスが必要とされるのです。

その為には、もっともっと、お客さんのことを理解し、ニーズや心理状態をイメージし、対応する必要があるのです。

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