経営の意思決定は投資効率で考える

経営の意思決定は投資効率で考える

私たちは、紛れもなく資本主義の社会で生きている。資本主義における経営とは、すなわち「投資」をして「リターン」を得るということだ。そのためには、どうすれば会社が儲かるかを調べ、見つけた方法に金と時間を投資することだ。さらに、投資効率をしっかりと考えた上で、金をかける優先順位を明確にすることである。これが資本主義的に経営を考えれば当然の経営方法である。(内田游雲)

profile:内田游雲(うちだ ゆううん)
ビジネスコンサルタント、経営思想家、占術家。中小企業や個人事業等の小さな会社のコンサルティングを中心に行う。30年以上の会社経営と占術研究による経験に裏打ちされた実践的コンサルティングには定評がある。本サイトのテーマ「気の経営」とは、この世界の法則や社会の仕組みを理解し、時流を見極めて経営を考えることである。他にも運をテーマにしたブログ「洩天機-運の研究」を運営している。座右の銘は 、「木鶏」「千思万考」。世界の動きや変化を先取りする情報を提供する【気の経営(メルマガ編)】も発行中(無料)

経営とは投資をするということ

私たちは、紛れもなく資本主義の社会で生きている。そして、小さな会社の社長は、この資本主義の中で経営を行っている。この社会で経営をし、生き残っていくには、資本主義の原理原則を身につけるしかない。この当たり前の事実をまずしっかりと理解しておくことだ。

まず重要なことは、誰でも気付いているように、資本主義の上に立っている人間は誰も肉体労働をしていないという事実だ。それでいて実際に労働している人よりも豊かである。地主は、必死で働いている小作人よりも生活が豊かだ。社長は、過労死寸前まで働いている従業員よりも生活が豊かだ。なぜなら彼らは資本主義の原理に則って生きているからだ。

小作人や従業員が働いた対価を、地主や社長が吸い取って生きている。地主の場合は「土地」が資本である。社長の場合は「会社」が資本である。土地や会社という資本を握る人間は、労働する人間よりも豊かなのでいちいち労働する必要はない。これが資本主義なのだ。「資本」が金を生み出すので、それで生きる。資本主義の本質とは自分が働くことではなく、資本に働いてもらうことだ。

「金を稼ぐために労働する」という発想は資本主義的ではない。資本主義で生きるためには「金を稼ぐために資本を使う」というのが正しい行動になる。つまりそれは、言い換えれば「投資」をするということである。

これは経営でも全く同じだ。経営とは、すなわち「投資」をして「リターン」を得るという行為である。そのためには、まず最初に、どうすれば、会社を繁盛させることができるかを調べ、見つけた方法に金と時間を投資することだ。

もし、会社を繁盛させる方法が見つけられなければ、それを知っている人に金を払って教われば良い。会社を繁盛させる仕事に取り組まなければ、どれだけ頑張っても利益は増えない。これは、あたりまえのことだ。「投資」の無いところに「リターン」は、絶対にありえないからだ。

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投資効率を考え優先順位を決める

これは、どのような会社でも同じだ。大きな会社であれ、小さな会社や個人事業者であれ、経営とは、投資をしてリターンを得るということだ。だから、重要なことは、投資効率を常に考えることになる。投資効率とは、投下した資本(つまりお金や時間)が、どれだけ有効にリターン(利益)となって戻ってくるかだ。

それでは、経営をする上で、この投資効率が最も良いものは何だろうか?

広告に金を掛けることだろうか。
人を雇って、売上を増やすことだろうか。
それとも、自分で勉強して経営の知識を増やすことだろうか。

私はそれは、専門家からの助言だと思っている。

しかし、実際に経営に携わるとこの投資効率に対してつい誤解をしがちだ。たいていの場合、社長は、宣伝・広告費に金をつぎ込みがちになる。

もちろんこれは間違いではないのだが、大きな失敗いになることも多い。

なぜなら売れる仕組を作らないで幾ら広告宣伝をやっても効果は一次的だからだ。それどころか、顧客獲得コストの上昇に耐えられなくなって、かえって経営状態の悪化につながりかねない。

自分で学ぶより助言を得たほうが早い

また、ほとんどの社長はとても勉強家である。常にセミナーや勉強の為に支出をしている。これは自己満足度は、高いのだが、しかし、こうしたセミナーなどの内容は全体論であって、各論ではない為に、自分のビジネスに直接成果を結びつけることは難しい。

だったら、直接専門家に依頼して、助言をして貰ったほうが圧倒的に効果が上がる上に、早く結果につながっていく。専門家とは、少なくともその分野を5年以上に渡って勉強と研究を積み重ねているからだ。自分でどれだけ一生懸命勉強しても、月に1回とか2回、学んだ程度では、とても追いつけるはずがない。

このように、投資効率から考えれば、

専門家の助言>自分で勉強する>広告宣伝

この順に投資をすべきということになる。
しかし、多くの経営者は、全く逆だと感じている。

つまり、

広告宣伝>自分で勉強する>専門家の助言

たいていこう感じてしまうのだ。

さらには、通常のコンサルフィーは驚くほど高いので、小さな会社やお店にはとても払えないものでもある。私が以前、某〇井総研にコンサル依頼しようとした時、20代の若い兄ちゃんが来て300万円のコンサルフィーだった。

まあ、移動コストや、人件費コストを考えれば、決して不当だとは思わないが、現実的には、小さな会社や個人事業者が払うのはとても無理である。そして、コンサルティングのフィーというのは、通常、どこもこのレベルといっていい。

コンサルティングの内容は、そのまま利益に直結するので、どんなに高くても、払える力がある会社は雇う。だから、余計にコンサルティングのハードルが上がってしまている。

頼みたくても、効果が上がるかよくわからない。
さらに、とても高くて払えない。

そうすると、

広告宣伝>自分で勉強する>専門家の助言

こうなっってしまうのも無理はないだろう。

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最も投資効率が高いコンサルティング

そのため、広告費の10万円は出せても、コンサルフィーの10万円は出せない。セミナーに参加するために10万円(交通費や宿泊費を含めればもっと高い金額)を出せてもコンサルフィーの10万円は出せないのだ。

しかし、よく考えてみれば、それだけの知識を持つ従業員を雇うとすると、どれだけの経費が掛かるだろうか。毎月の給料が、最低でも30万円、さらに、スキルを養成するためにも経費が大きくかかることになる。

だから、逆なのだ。人を雇ったり、広告や、セミナーにお金を投資するより、専門家の助言に10万円払ったほうが、よほど投資効率がいい。そして、その10万円が、短期間で何十倍もになって返ってくるのが、コンサルティングである。

結局、コンサルティングの内容は利益に直結するので、どんなに高くても払える力がある会社は雇うことになる。だから、払える会社はもっと利益が増えていくことになる。逆に払えない会社は、じり貧傾向になっていくことになる。投資効率の違いは、残酷なまでに、こうした結果になって跳ね返ってくるのだ。

ぜひ、ここを間違わないようにして、投資効率をしっかりと考えた上で、金をかける順番をしっかりと考えることである。これが、資本主義的に経営を考えれば出てくる当然の結論なのである。

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