もともと、売上が高い時期の方が、お客さんが集まりやすい時期ですが、そうはいっても、暇な時期に販促をしなければ、ますますその月の売上が下がってしまうことになります。
暇な時期をただボーっと眺めているだけでは、それは、経営者とは言えません。
何も考えず、何もしていないのであれば、世の中の一般的な行事に売上を左右される、そんな経営しかできなくなります。当然何らかの対策を講じる必要があります。
では、暇な時期の売上を上げるコツとは何でしょうか?
頂上を高くしよう
ここでひとつ考えてみてください。
例えば、あなたの会社やお店の繁忙期が8月だったとします。
そして、その2ヶ月後の10月が閑散期とします。
この時に、8月の売上が、1,000万円だった場合と、5億円だった場合では、その他の条件が全く同じだとしたら、2ヶ月後の10月の売上は、どちらの方が高くなるでしょうか?
これはもう誰でもわかるでしょう後者の方が確実に高くなります。
後者の方が50倍も高いのだから、下がったとしても当然高いはずです。
富士山の5合目と近くの100mの山の5合目であれば、富士山なら1600m、近くの山は50mなのです。
つまり、大きな山さえ作ってしまえば、たとえ、下り斜面になっても、その斜面は、低い山よりも高くなるのです。
閑散期の売上を上げる方法
さて、『集客の優先度を知っておけばあなたの会社は儲かるようになる』の記事の中で、1回きりのお客さんの説明をしました。
【参考記事】:
一回きりのお客さんの割合は、だいたい50~70%となります。
しかし、考えてみれば、反対に30%以上は必ず2回以上利用するのです。
この人達が、閑散期の再度来店してくれるので、閑散期の売上が増えていくことになります。
つまり、閑散期の売上を上げる方法は、次のような流れになります。
(1)暇な時期には集客の反応が悪い
(2)一方繁忙期には、市場に買う気のあるお客さんが多くいる。
(3)新規客はの集客は繁忙期の時に行う
(4)繁忙期に獲得した新規客のの中から、暇な時期にもう一度利用するお客さんが現れる。
(5)そのお客さんに、暇な時期の売上を押し上げてもらう。
こうした流れになるのです。

つまり、集めやすい時に新規集客をすることで、結果的に暇な時期の売上も上がるのです。
まずは、これが基本の考え方です。
そして、ここにもう一つの方法を加えます。
個別のニーズを作り出す
そもそも、繁忙期が偏る理由は、多くのお客さんが「ニーズ」をきっかけに、商品を購入しているからです。
では、閑散期にも何かニーズが存在しないか?
それを見つけ出し、活用すれば閑散期ににも、お客さんをお店に呼び込めるはずです。
これまでの「ニーズ」とは、多くの人に当てはまるような、一般的な行事等です。
だったら、個人的な「ニーズ」を探してみればいいのです。
一般的に考えれば誰もが持っている「ニーズ」と言えば、誕生日があります。
これは、誰でもわかりやすいニーズです。
「何だ、誕生日にDMを送ろうってこと?
そんなこと知ってるよ!」
そう思うかもしれません。
でも、あなたの会社やお店は、これをちゃんとやっていますか?
一回やって、効果が見られなかったら止めていませんか?
もちろん、一回でもやっていたら、それなりの反応はあったはずです。
しかし、ほとんどのお店では、やり続けていません。
なぜなら、1~2回やってみたけれど、あまり売上が伸びないと感じるからです。
でも、よーく考えてみてください。
DMを出した場合と、何もしない場合で、誕生日に利用される確率はどちらが高いでしょうか?
さらには、この誕生日は、誰にでも毎年必ず来ます。
今年の誕生日は、他に行ったけれども、来年はどうでしょうか?
誕生日のメッセージカード1枚を送る費用は、印刷費やらを含めても一枚100円程度です。
10年送り続けても1,000円です。
あなたも、これまでにどこかのお店で、誕生日を書いたことがあるかと思います。
そこから、10年以上誕生日のメッセージカードやDMが届いているお店はありますか?
届くお店と、届かないお店。
どちらが誕生日の時に利用する可能性が高いのか?
これは、誰が考えても解るはずです。

誕生日をニーズに昇華させる
さて、この誕生日ですが、闇雲に割引キャンペーンをやったからと言って、それで売上が上がるものではありません。
あくまでも、「ニーズ」があって商品を購入するという行動が起きます。
例えば、よくあるのが眼鏡屋さん。
誕生日に20%offの割引キャンペーンなんかをよくやっていますが、あまり効果がありません。
なぜなら、誕生日だからといって眼鏡を新しくする「ニーズ」が無いからです。
誕生日の代表的な「ニーズ」は何でしょうか?
そう、プレゼントです。
じゃあ、そのプレゼントを贈る人はだれでしょう?
わかりやすいのは奥様ですよね。
「ご主人の誕生日に、かっこよくなる眼鏡を贈ってみませんか?」
こんなDMを奥様に贈れば「ニーズ」につなげることができます。
これは、花屋さんも同じですね。
もちろん、自分へのご褒美という「ニーズ」を刺激してもいいのですが、やはり、花は贈られたいし贈りたいものです。
全ては、こうした「ニーズ」を見通せるアイディアがあるかどうかです。
そうなると、同じ誕生日を集める時に、ご家族の誕生日まで入手することが必要になります。
3人家族なら、誕生日まで3倍になります。
それぞれの誕生日に「ニーズ」を考えたメッセージカードやDMを送れば、売上が増えていくものです。
ここでも、お客さんのリストの重要性が浮き出てきます。
もし、あなたの会社やお店に顧客リストが無いのなら、まずはそれを集めることが第一歩になります。
何も考えず、何もしていないのであれば、世の中の一般的な行事に売上を左右される、そんな経営しかできないのです。