どのような卓越した強み（USP）を考え出したとしても、同じような事をやっている会社は必ず存在する。大事な事は、その強み（USP）について、あなたの設定した商圏の中で、同じ強み（USP）のメッセージを出しているライバルが存在するかどうかである。強み（USP）の競合という現象は、同一の商圏内においてのみ発生する。そして、それが競合する場所は、メッセージ上においてだけなのだ。（内田游雲）
profile：内田游雲（うちだ ゆううん）
ビジネスコンサルタント、経営思想家、占術家。中小企業や個人事業等の小さな会社のコンサルティングを中心に行う。30年以上の会社経営と占術研究による経験に裏打ちされた実践的コンサルティングには定評がある。本サイトのテーマ「気の経営」とは、この世界の法則や社会の仕組みを理解し、時流を見極めて経営を考えることである。他にも運をテーマにしたブログ「洩天機－運の研究」を運営している。座右の銘は 、「木鶏」「千思万考」。世界の動きや変化を先取りする情報を提供する【気の経営（メルマガ編）】も発行中（無料）
ライバルの存在を忘れてはいけない
強み（USP）について考えた時に、やはり、どうしても気になるのがライバルの存在だ。どのような卓越した強み（USP）を考え出したとしても、同じような事をやっている会社は必ず存在する。これは、間違いないことだ。どんなに優れたアイディアを思いついたとしても、この世界には、同じような事を考えつくひとが、必ず存在するものなのだ。
どのような奇抜で斬新な強み（USP）を思いついたとしても、同じような事を強み（USP）にしているライバルが、現に存在するかどうかを経営をするときには考えなくてはいけない。しかし、ただ闇雲、恐れることもない。大事な事は、その強み（USP）について、あなたの設定した商圏の中で、同じ強み（USP）のメッセージを出しているライバルが存在するかどうかである。
まず、商圏の外のライバルについては、全く無視することだ。それは別世界のできごとであるから関係はない。日本語で、ビジネスをしていたら、英語圏や中国語圏は、どうでもいいのだ。
また、同じような強み（USP）であっても、強み（USP）としてのメッセージを展開していなければ、これもまた関係ないのである。
競合は発信するメッセージ上だけ
強み（USP）の競合という現象は、同一の商圏内においてのみ発生する。そして、それが競合する場所は、メッセージ上においてだけなのだ。
同じことをやっていてもメッセージを発信していなければ、それは無いものと同じである。つまり、強み（USP）というのは、商圏の中の、設定した顧客ターゲットにメッセージとして発信して、初めて効果があるということだ。
そして、もし誰もそれをやっていなければ、それを、あなたがやればOnly oneになることができる。
何かをやって、最初にその話をしたり、理由や成り行きを説明する者が、その時から、他のライバルに、その市場で差をつけ、優位に立つことができるものなのだ。
Only oneになれるように工夫する
ここからもう一つ判ることがある。
つまり、商圏や顧客ターゲットの設定の仕方で、割と簡単にOnly oneを取ることが可能だということだ。自分の強み（USP）がOnly oneを取れるように、市場を分割したり、設定を変えていけばOnly oneになれるところを見つけることができるということである。Only oneになるようにするのではなく、Only oneになれる場所を探すのだ。
そして、Only oneを取れれば、あなたの会社は、大きく利益を出していくことが可能になる。強み（USP）を設定するということは、すなわちOnly oneになれる場所を取りに行くことと同じことなのだ。
そして、それは、決して難しい事ではなく、どのように強み（USP）を設定し、発信していくかによって、誰でもOnly oneになることができるということである。
