インターネットのビジネスの世界では、よく「全自動」ということがいわれます。
この手法、このツールを使えば、あとは、ほとんど手を動かさなくても全自動でOK!
こんな意味合いの謳い文句を、多くのセールスレターでよく見かけます。
もし、すべてを「全自動」で行い、利益を生み続けることができたら・・・
きっと、良い暮らしができるんでしょうね。
あくせくと働かなくても、自分の代わりに「何か」が動いてくれているんですから。それで、稼ぎも手に入るんですから。誰でもこんな生活に憧れてしまいます。
全自動は詐欺につながりやすい
しかし、これは、目先のことしか考えられていない発想です。
悪い言い方をすれば、「ラクして、金を儲けたい一心」だということです。
「自分だけは得したい」
「自分が稼げればそれでよし」
そう言っているということです。そして、哀しいかな、「自分がラクするため」となると、自ずと詐欺的な発想にならざるを得ないのです。

何をもって「詐欺」というかは微妙な問題ですが、やはり、「お客さんのために」と考えて、「価値」を創造し、提供していくことがビジネスの望ましいあり方なのです。
全自動では新しい価値が提供されない
「全自動」の裏返しは、新たな「価値」を作り上げないということとほぼ同義です。
つまり、究極のところ、
『顧客に「価値」を提供しないビジネス』
ということになります。
そんなビジネス、長続きすると思いますか?
売れればいいんだっていう人と、売って、顧客を幸福にしてあげたいと思っている人とでは、当然差が出てきます。
くどいようですが、やはり「お客さんのために」と思わないと、「価値」を生み出すための新しい発想自体が生まれてこないのです。

全ては顧客の幸福のために
私たちがビジネスをする目的は、お金儲けだけではありません。
会社をただ大きくするのではなく、かかわった人達(顧客も経営者も社員も)すべての幸福を目指す。そして、顧客とのつながりの中で、喜んでもらい感動してもらう。その結果として、商品が売れていく。
こうした仕事のあり方こそが、本来のビジネスだと私は思うのです。
目先の利益を追い求めると確かに今は儲かりますが、未来でうまくいかなくなります。
商品にお客様の幸福のために売ることを『徳』を積むと言います。
安定的な利益を得たいと思うのであれば、近視的に利益を追い求めるのではなく、徳を積むことが重要なのです。