経営を考える時に重要な法則があります。
それが、【大数の法則】です。
大数の法則とは
確率論・統計学における極限定理のひとつで、「経験的確率と理論的確率が一致する」というまあ、わけわからない表現がされています。簡単に言ってしまうと、たくさんの事例を挙げていけば、物事は確率通りにしからなないということです。
たとえば、コインを投げて表が出る確率は1/2です。しかし、1回や2回投げただけでは、その結果になりません。最初のうちは、裏のほうが多く出たり、表のほうが多く出たりします。しかしこれを1万回、いや100万回投げれば、表が出る回数は1/2に限りなく近づきます。これが、大数の法則です
考えれば、あたりまえのことなのですが、とても重要な法則です。
生命保険や火災保険などの保険料などは、この大数の法則で算出されています。
ビジネス視点の大数の法則
では、なぜ、この大数の法則が、ビジネスにおいて重要なのかですが、たとえば、広告を出した時に、「今回は売れた、前回は売れなかった」、こういったことが必ず起きるわけです。

この時に、前提となる一定の売れる確率が存在するということがあれば、
「どのように改良しようか」
あるいは、
「あとどれくらい続けるか」
こういった判断ができるのです。
つまり、一回一回の反応に一喜一憂せず、ある程度長いスパンで物事を考える基準となるのです。長いスパンで考えれば、確率から広告費を決めたり、新規顧客を獲得する方法が見えてきたりします。
よく集客で悩んでいるのは、じつは、こういったところが理解しきれていないからです。
ネット上は大数の法則がさらに重要
インターネットを使って集客をしたい場合に、一番大事なことは、ネット上の人の動きを理解できるようになることです。
たとえば、「うなぎを食べたいな」と思った人は、どのようなキーワードで検索するのか?
そのキーワードだと、どれくらいの確率で注文するか?

これを、明確に数字で理解できることです。
つまり、ネット上の人の流れを確率で考えるということです。
例えばPPC広告などでは、一定のキーワードで、注文する確率が明確に出ます。また、それをきっちりと測定することができることです。例を挙げてみますと100クリックされると一個の商品が売れて、1000円の利益が出るとするならば、1万クリックなら10万円の利益が出ることになります。これはつまり、売上を計画して予測し、それを確実に実現できるということを意味します。
大数の法則が効率を上げる
たとえば、ネットショップでAとBという二つの販売ページを作ったとします。
この時に、AとBの両方に同じキーワードで同じ数のアクセスを誘導してどちらの方が売れるかをテストすることもできます。つまり、感覚ではなく、実際の数字で優劣を見ることができるのです。
こうしたテストを繰り返すことで売れるページを作ることもできるようになります。
売れる確率をあげれば、同じアクセス数でも、売上は当然増えていきます。
このようにビジネスは、どこまで言っても確率の世界です。
つまり単純な数学の問題になるのです。

だから、1+1は必ず2になります。これは絶対なのです。
あとは、それを活用する人間の問題です。
法則ではなく人間が間違える
人間だけは、数学と違うので運用できたりできなかったりします。
それが、個人差になって現れますが、基本は数学の世界なので、理解が深まれば深まるほどしっかりと運用ができるようになります。これには例外はありません。だから、ちゃんとできれば必ず成果がでます。
しかし、問題は人間のほうにあります。
人によっては、1+1=3と理解する場合があります。これが、個人差です。人間は、自分の思い込みですべてを解釈してしまいます。だから、1+1=2と教えても1+1=3と理解してしまうのです。
ビジネスの基本はこういった確率にあります。
しかし、多くの人がこう考えています
「そんな、理屈どおりに物事は運ばない」と
しかし、実際には、長い目で見ると、世界は理屈どおりにしか動かないのです。
その理屈を理解しているかどうかが大きな差になるのです。