市場にまだない、しかも、市場が求めるような新しいものを作ることは、ビジネスを繁栄させる方法の一つとなります。これが、世界規模のイノベーションであれば、appleのような会社にすることも決して夢ではありません。
ビジネスをやる人間にとって、誰もが憧れるのが、この世界規模のイノベーションを起こすことです。
イノベーションの起こし方
人はいつであっても、イノベーションを求めています。
例えば、映画を例にとってみると、年間の興行収入の上位は、必ず新作映画です。
どんなに、歴史的な名画であったとしても、新しい駄作には絶対に敵わないのです。駄作であっても、人は未知の体験のほうが大好きなのです。
だから、イノベーションは、ちょっとしたものでも、かまわないのです。いくつかの製品や、サービスを組み合わせたものでも構いません。別の市場から持ち込んだ、ただ目新しく見えるだけのものでもOKなのです。これまである商品に、新しい特徴を加えることでもイノベーションは起こせるのです。

こうした、イノベーションには、主に3つの型があります。
(1)商品のイノベーション
誰も見たことのない商品を開発するか、既存の商品を今までない方法で改良する方法。
appleがこの成功例となります。
(2)システムのイノベーション
既存の商品を、より早く、確実に提供する方法を考える。
Amazonがこの成功例です。
(3)ブランドのイノベーション
ありきたりなもののイメージを刷新して、魅力的に見せて売り出す。
ルイ・ビトンなど多くのファッションブランドが、この方法で、世界規模の会社として成功しています。
このようなイノベーションは、当たれば世界的な企業にまで成長していきます。
ただし、イノベーションには、アイディアとそれを実現する資本が必要です。特に重要なのが、この資本の部分で、資本が無い時には、結局アイディアを実現できずに終わる例がほとんどです。ここは、注意をする必要があるのです。

冷たいようですが、誰もがこうしたイノベーションを起こせるわけではありません。それどころか、ほとんどが、大したイノベーションを起こすことができないのが現実なのです。
イノベーションは本当に必要か
しかし、ビジネスをやることにおいて、イノベーションを起こして、新しい商品を開発しなければいけないということはありません。
ビジネスを繁栄させることについて、どのような商品かということは、じつはあまり意味がありません。つまり、何を売るかというのは、実は、それほど重要ではないのです。
コンサルをしていて感じるのですが、ほとんどの経営者が起業したきっかけは、何か、アイディアが浮かび、その思いつきを元に商品やサービスを開発し起業をしています。
こうした社長さんと話をすると、商品のよさを滔々と語ってくれます。その商品が、どれだけ良いか、どんなに素晴らしい商品かを一生懸命に、とにかく語り続けるものです。
もちろん、商品に惚れ込むのは、素晴らしいことです。しかし、どんな良い商品であっても、その良さが理解されず、誰も知らない商品は、絶対に売れることはないのです。

これは、どの業界でも同じで、全く新しい商品やサービスを投入する場合に、需要が既にあるかどうかで最初のコストがもの凄く違うものだからです。
小さな会社にイノベーションは不要
イノベーションとは、言い換えれば、新しい価値観を持った市場を創造することです。ここを間違えて、市場にある需要を見ずに思いつきでイノベーションを模索し、新しい商品を開発して、その結果、やっぱり売れないという間違いを、とかく小さな会社や個人商店の社長はやりがちなのです。
こういった新しい商品は、資本力のある企業が、需要の無いところにCM等で教育をして、需要を作り出していく戦略をとるのですが、これは、小さな会社や個人商店のような弱者では、とうてい無理なことなのです。
商品からビジネスを構築するのは、少し前の仕事の仕方です。小さな会社の場合には、人の流れから商品やサービスを考えるのです。逆なのです。

これを、商品ありきでビジネスを組み立てようとすると失敗します。だから、まず人の流れを作るかが大事なのです。イノベーションを考える前に、どうすれば、人の流れを作れるかを考えてみてください。
つまり、市場そのものを作り出すことは、大手のお金がたくさんあるところに任せ、その隙間で、あなたのファンを作り、そのファンとの間だけでひっそりと商売するのです。これが小さな会社や個人商店が目指すゲリラ戦であり、ビジネスのやり方になります。くれぐれも間違えないようにしてください。