会社の目的とは何でしょうか?
一般的に、企業の目的は利益の追求だといわれます。
利益の追求は目的として正しい
企業の目的が利益の追求というのは、決して間違っているわけではありません。利益が無ければ、企業は続けていくことができません。しかし、企業が利益の追求のみを求めていくと、上手くいかないことのほうが多くなります。
これは個人においても同じです。
個人が利益を追求するということは判りにくいかもせれませんが、得をすることだけを考えていると言い換えてもいいかもしれません。利益を求めることは、人間として当然のことです。それは決して悪い事ではありません。

問題は他人から奪ってまで利益を得ようとすることなのです。
個人であれ、企業であれ、利益を追求するあまり、自分だけが得をして、他人から奪うことばかり考えると、それは決して長続きしません。それは、恨みを買うだけではなく、他者から奪ったことで自分の心も傷つくからです。
奪うと自分を罰するようになる
相手から、何かを奪うと、当然、恨みを買います。
これはこれで怖いのですが、それよりも怖いのが自分の心が傷つくことです。
ほとんどの人間には、良心があります。この良心が、他人から奪うことで傷つくのです。
自分の心が傷つくと、それに対して、自分で自分に罰を与えてしまいます。その結果、色々なトラブルを引き起こして上手くいかなくなります。自分で自分で罰してしまうので、逃れようがありません。
これは、個人でも会社でも同じなのです。
しかし、稀に良心が無い人もいます。こういう人は、他人から奪っても自分の心が傷つかないので、問題が起きることはありません。
しかしそれでも、他人の恨みが積もって、それが、社会全体に広がることで罰せられることが起きていきます。ただ、こういった人はほんの一握りであり、ほとんどの人は、自分で自分を傷つけてしまうのです。

利益は無限だから奪う必要はない
ではなぜ、利益を奪わないといけないのか?
それは、利益が有限だと思っているからです。有限であれば、たくさん利益を得ようとしたら、誰かの分も取ってこなければなりません。だから、奪うことになるいのです。
しかし、利益は有限ではありません。
利益とは、価値の交換によって成り立ちます。価値が増えれば、当然利益も増えていきます。だから、価値を創造すれば、その分だけ利益も増えていくことになります。これを、価値を創造せずに利益だけ取ろうとすれば奪うことになってしまうのです。
利益とは、価値を創造するところに生まれるもので、決して奪い合うものではないのです。
経営に携わる人は、この事を忘れてはならないのです。