会社やお店の売上は「ニーズ」によって引っ張られています。
つまり売上が高い時期は、お客さんが集まりやすい時期ということもできるのです。
だからこそ、忙しい月にこそ、新規客を集める努力をするべきです。
しかし、ほとんどの経営者が暇な時期を何とかしなければと思い、そのタイミングで思いついたように販促を行って、その結果、経費をドブに捨ててしまうことになっているのです。
【参考記事】:
いつ集客をしたらいいのか
では、あなたが仮に、飲食店を経営していたとして、新規客を集めやすい時期はいったいいつでしょうか?
これは、当然、忙しい月になります。
一般的には12月や8月ということになります。
その理由は簡単で、例えば、釣りをする時に多くの人が明け方に行くのは、その時間帯のほうが昼間よりも魚が多いからです。
昼は魚があまりいない。
明け方が魚が一番多い。
同じ餌、同じ竿を使うのであれば、当然のことながら、魚の多い時間のほうが絶対に釣れるのです。逆に言うのなら、そこに魚がいなければ、決して魚は釣れません。
魚がそこにいなければ100%釣れるわけがないのです。

では、いつ新規客を集めればいいのでしょうか?
これは間違いなく、忙しい月にこそ、新規客を集めるべきなのです。
つまり売上が高い時期は、お客さんが集まりやすい時期でもあるのです。
飲食店であれば、多くの行事がある月が、当然、売上が高くなります。
この時期には、お客さんがたくさん集まっている。
そういった「現象」が起きているのです。
その理由はなんであれ、そこで釣り(集客)をしないで、いつするのでしょうか?
つまり、売上の高い時期にタイミングを合わせて、新規集客を行えば、反応が高くなるということです。
暇だから販促をするのは間違い
しかし、多くの会社やお店が、このタイミングを間違えるのです。
「2月は暇になるから、何か販促をしなければ」
こう考えてしまいがちなのです。
では、2月はなぜ暇なのかを考えてみてください。
2月は消費者にとって買う必要性(ニーズ)が少ないから暇なのです。
誰でも、毎日外食して食べたい(ウォンツ)ですが、全員が、毎日外食ができるほど裕福な暮らしをしている訳ではありません。
必要性が無ければ、やはり我慢するのです。
そんな時期にいくら割引チラシを配っても、いつもより、反応が悪くなるのは当然なのです。
セブンイレブンの挑戦
しかし、
「当然とはいっても何とかしなければ。」
そう考えて行事を作ってしまった会社があります。
それがセブンイレブンの「恵方巻」です。
この恵方巻は1989年にセブンイレブが仕掛け2000年代以降に急速に広まったのです。
実際に、それ以前に「恵方巻」という行事は一般的に存在していません。
つまり、節分に「恵方巻」を食べるという行事をセブンイレブが作り出したのです。
その理由は、おそらく2月の閑散期の売上を高くしようと考えたからです。

しかし、こういった行事を新しく作るということは、膨大な宣伝キャンペーンが必要で、しかも、長期間にわたって浸透させる必要があります。
あなたの会社やお店が、セブンイレブンほどの資金力があれば別ですが、そうでなければ、行事を作ることなど現実には不可能です。
普通は、多くの会社やお店が暇な時期を何とかしなければと思い、そのタイミングで販促をして、その結果、経費をドブに捨てているのです。
ここで、もう一度コトラーの言葉を、思い出してみてください。
ニーズ(Needs)とは、
「人間が生活上必要な、ある充足状況が
奪われている状態(欠乏状態)のこと」
ウォンツ(Wants)とは、
「ニーズを満たすための、
特定のモノが欲しいという欲望のこと」
繁忙期が偏っている理由は、多くのお客さんが「ニーズ」をきっかけに商品を購入しています。
つまり、行動を起こしやすいということです。
だったら、そこで集客するのが正しいのです。