大金を集めないと決めたら自由になれる

スモールビジネスは大金を集めない

小さな会社やお店は、特別な戦略を取る必要があります。これをスモールビジネス戦略といいます。このスモールビジネス戦略とは、簡単に言えば、小さいという利点を最大限に活かす為の経営戦略です。

小さいということを最大限に生かすということは、自ずとゲリラ戦になります。つまりこれは、弱者の戦略となります。これが、「スモールビジネスはゲリラ戦が基本」の記事でお伝えしたことです。

ゲリラ戦は、その戦略が他から見えてしまってはすぐに対策をされ効果が無くなってしまいます。強者がとる戦略は、弱者のやることが見えたら、同じことをより多くの資金と人材を投入し、一気に市場を奪いに来ます。だから小さな会社やお店は、とにかく、こっそり隠れて、ゲリラ戦を展開していかなければ、結局、物量に負けてしまいます。

その為に、スモールビジネス戦略では、いくつかのルールを定めています。このルールを守ることで、あなたのビジネスは、自ずとゲリラ戦をやることにつながっていきます。

スモールビジネスは大金を集めない

スモールビジネス戦略として一番最初に挙げるのは、「大金を集めない」ということです。
「なんじゃそりゃ?」
もしかして、あなたは、そう思うかもしれません。

もちろん、ビジネスや商売というのは、お金儲けのためにやることでもあります。ビジネスや商売の目標は何かというと、それは、やはり利益です。経営者にとって、利益を出すということは至上命題です。これは間違いありません。会社やお店が損失を出すことは不善です。これは、絶対的なものです。しかし、利益を出すことと、大金を集めることとは、別のものなのです。ここを間違ってしまうのです。

そもそも、あなたが会社やお店を経営する目的は、お金儲けだけではないんじゃありませんか?
もちろんお金は付随して生まれてきます。しかし、それを目的にすると、かえって、上手くいかないものなのです。

ただ、大金を集めたかったら、他の仕事をしたほうがうまくいく可能性が高くなります。商売よりも、投資に専念したほうが、大金をつかめる可能性も高いものです。ジョージ・ソロスやウォーレン・バフェットを見習えばいいのです。

「大金を集めない」とは、大金を集めることを目的としないことです。結果として、もしかしたら、大金が手に入るかもしれません。しかし、それはあくまで結果です。そこを最初から目指すのではないということです。ここを間違わないようにしてください。

利益第一主義にしないこと

たしかに、これまでのビジネスの目的とは、大きな利益の追求でした。そして、経営をするときに、利益を目標にすることはとても重要な事です。しかしここで、重要な事は、利益第一主義にしないということです。

利益を求めるのは、経営の基本です。しかし、それを求めることと、それを最優先することとは違うのです。現代のグローバル資本主義全盛の世の中では、会社の目的とは、株主のために利益を追求し、いかに多くの利益を出すかということです。

利益の額を大きく追求するためには、まず、商品を大量に売る必要があります。そのためには、1人でも多くのお客さんに商品を売る必要があります。当然、日本国内では足りずに、海外の市場まで目を向けていくことになります。

さらに、商品を大量に売るということは、自ずと最大公約数のニーズに対応する商品を売る必要が出てきます。商品は、ニーズが無いと売れません。多く売るためには、多くのニーズが必要になります。そして、多くの人のニーズがあるということは、言い換えれば、最大公約数のニーズに対応するといことでもあります。

しかし、それは反面、商品が一般化(コモディティ化)するということになります。特徴のある商品よりも、誰にでも向く商品ということです。こういった商品は、市場が大きく映る為、ライバルも参入して競争も激しくなるのです。

さらに、商品をたくさん売るためには、まず、その商品をたくさん作らなければいけません。そのためには、工場などの設備投資をする必要があります。生産設備などに投資をして、生産力を上げていきます。すべて現金で作ることなどできませんから、設備投資のために銀行から借り入れをし、さらに、その工場で働いてくれる人を雇います。すると、利息や人件費といった固定費が増大していきます。こうして固定費が増大しますから、より多くの売上げが必要となり、さらなる拡大を目指すことになります。

こうなるともうひたすら売上げを増大させていかないと、ビジネスそのものが成り立たなくなってしまうのです。これが、いままでのビジネスモデルです。

商品が一般化(コモディティ化)する

成熟社会で大金は目指さないほうがいい

戦後の日本のように、経済が右肩上がりの拡大の時代であれば、このビジネスモデルは非常に上手くいきます。誰もが、新しい商品を欲しがり、それを所有することを夢見ている状態だからです。高度経済成長は、そのベースとして人口の増大と所得の拡大が必要になります。つまり、消費人口が増え、さらに、所得が増大し続けていかなければ、経済は拡大していかないのです。

ところが、現在のようなほとんど経済成長が望めない、人口がむしろ減少傾向にある日本のような国の場合経済の拡大は望めません。そうなると売上げを上げ続けることは、競争の激化をもたらします。つまり、拡大しない市場の中で、市場の奪い合いがどんどん激しくなるのです。当然商品は売れにくくなります。

しかし、固定費が増大していますから、商品を売らないと倒産します。そのために、利益を削って値下げします。
ライバルも値下げします。こうして、デフレスパイラルという状態が 各市場で起きてくるのです。

「もう少し我慢すればきっと景気はよくなる。
 そうすれば、また前のように儲かるようになる」

経営者はこう夢見てがんばります。

しかし、残念ながらそんなことはもう起きないのです。あとは、ビジネスをすればするほど借金が増えていきます。

未来のお金を既に使ってしまった消費者達

これは、経営者だけの問題ではありません。消費者も同じです。消費人口が停滞している中で、さらに、社会が物を売る為にやったことは、未来のお金も使わせることでした。つまり、今の消費だけではなく、未来の消費まで今使わせたのです。これが、クレジットカードのような信用経済市場です。

賃金が右肩上がりに上がっている時はいいのですが、一度これが止まってしまうとどうなるでしょうか?収入は上がらずに、借金の返済だけが残ります。そうなると、誰もが先ず消費よりも借金の返済を優先させます。こうして、物がますます売れない状況になるのです。

欲しいものがあっても買うお金が無い。これが、今の日本の姿です。デフレ状態の日本に起きていることは、じつは、需要が不足しているということです。つまり買う人、買える人が数多くいないのです。

そこに、大金を稼ごうとすると、どうしても海外へ販路を求めることになり、無理な投資を繰り返し、リスクだけを高めてしまっているのです。

そして、これらのすべての事象は、じつは、利益を最大に求めるという資本主義経済の原則から始まったのです。

誰もが借金の返済を優先させる

大金を集めないと決めたら経営はもっと自由にできる

スモールビジネス戦略においては、この基本原則を、まず最初に変えていくのです。それが「大金を集めない」というルールなのです。大金を集めなければ、無理をして商品を大量に売らなくて済みます。

大量に売らなければ、商品のコモディティ化(一般化)は起こらず価格の下落も起きないのです。そうすることで、借金のリスクもなくなるし、固定費も大きくならず、自由な経営ができるようになります。

大金を集めないということは、利益を出さない事ではありません。無理な拡大や投資をしないで、リスクを大きくせずに、適正規模でビジネスを行うということです。本当にやりたい仕事のみを選んでできる、自由なスモールビジネス戦略こそ、小さな会社やお店が取るべき最大の戦略なのです。

お金の原理
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